「同窓生柏原竜二さんの表彰と記念講話」
2012年2月10日(金) 
福島県立いわき総合高等学校 

2/12(日) 第3回いわきサンシャインマラソンへのゲストランナーとしての参加に際し
帰郷された柏原選手に、
「ぜひ母校で生徒との対話をしてもらえたら」という高校側の要望により、
今回の記念講話が実現した。
校長先生、同窓会長さんらからの表彰・記念品贈呈の後、 記念講話へ。

まずは、生徒会長さんによる代表質問。
Q「中学・高校時代の柏原さんはどんな生活をされていましたか?」
だらけた高校生活だった。
学校や部活に対しても熱意があったわけではなかった。
お菓子やカップラーメンを食べるなど食生活も乱れていて、
今では有り得ない行動をしていた。

Q「高校卒業後、成長させてくれたものは?」
高校を卒業して、活躍しなかったら意味がないという、自覚ができた。
特待生として東洋大学に入学させていただき、
その分結果を残さなければいけないという責任から、 自覚が芽生えてきた。

Q「大切にしていること、ものはありますか?」
レースで勝つことを常に意識すること、目標を持つことです。
大切にしているものは、高校3年生の時に兄に買ってもらったバッグで、
試合の時は必ず使うと決めている。

Q「失敗したこと、今一番関心があること、走っている時に何を考えているか?」
失敗したことは、高校での生活を失敗したと思う。
意識が高かったわけでもなく、だらけた生活を送り、後悔している。
今、後悔していることで前に進んだんだな、という実感がある。
(走っている時に考えていることは)負けず嫌いなので、絶対に勝つ、前向きなことを
考えている。

ここから、挙手した生徒さんからの、質問形式での対話へ。

Q「試合前に絶対に聴く曲は?」
ユニゾンスクエアガーデンとリサ

Q「メディアからの称賛や叩かれるなどを経験して、プレッシャーに勝つために力になったことは?」
話しにくいこともあるが、メディアはメディア、
メディアを信じていない部分もある。
色んなことを書かれているが、「勝手にして」と思っている。

Q「最後の箱根駅伝で、襷を受け取った時に思ったことは?」
「やった!」と思った。
トップで襷をもらったことがなかったが、
(今年は)1〜4区の選手が「柏原までトップでつなぐ」と明言してくれていたのが実現して、 「やった!」と思ったし、気が抜けないと思った。
1区〜4区の選手が頑張ってくれたので、僕も記録を伸ばすことができたので、
本当に嬉しかった。

Q「箱根駅伝後、Twitterでフォロワー数が増えていますが、そういう変化に対する心境は?」
箱根駅伝に対するメディアの影響力が凄いが、 僕自身のスタンスを変えたくない。
(箱根駅伝後の変化の影響を)大学3年の時にイヤというほど経験した。

Q「高校時、一番辛かった練習メニューは?」
24000-60分・24000-60分・24000-60分、 という駅伝前の練習が辛かった。

Q「駅伝を始めたキッカケと尊敬する人は?」
小学校まではソフトボールをやっていたができなさすぎて、
何をやろうかな、と思った時に、 小学校で持久走大会で負けなかったので、
陸上をやろうかなーと思った。
尊敬する人は、(いわき総合高校の恩師、陸上部顧問の佐藤)修一先生です。
修一先生が見てくれなかったら、僕はここにいなかった。

Q「趣味は何ですか?」
ゲーム・漫画・アニメです。

Q「山の神」と呼ばれることへのプレッシャーはありますか?
「山の神」と呼ばれることは大嫌いです。
山だけだと思われるのは嫌なので、
山だけでなく、平地も速い、というところを見せていきたい。  
 ここで更にQ「神にとって、陸上とは??」
神(と呼ぶことを)を推す!!?(笑)
色んな方と接することができ、 自分自身が成長できる場だと思う。

Q「自称いわき一の東洋大ファンなのですが、陸上生活で楽しいこと、辛いことは?」 毎日一人じゃないことが面白い。
話す相手がいるので飽きずに生活できる。 趣味や物を共有できる。
最初はストレスを凄く感じたが、今では楽しい寮生活だったと思っている。
 (田中さんは元気ですか?と生徒さん)
はい、田中はとても元気です。

Q「高校時代はなんと呼ばれていましたか?」
ガリガリしていて、華奢だったのと、 「柏原」が呼びにくいので、
「キャシャ君」と呼ばれていた。

Q「進路で悩んでいるのですが、自分に負けない方法はありますか?」
(進路の目標があるのなら)、努力するしかない。
無理だと思ったら、無理です。 僕は無理という言葉は好きじゃない。
否定されている気がする。 可能性は持った方がいい。
(迷い、があることに対して)、努力していないからそう思うのであって、
努力してから言った方がいい。
まずは、努力してください。

【最後に、後輩へのメッセージ】
(質問形式の対話を受けて)このように話を振ってくれるのは嬉しいです。
実業団で競技を続けるので、これからもテレビ等のメディア報道で活躍を目にしてほしいです。
(後輩に対して)こういう(公の式典等の)場での服装を見ると、しっかりしている人間かしていない人間か分かり、 それが大学受験や就職に影響する場合もあります。
(例えば)ネクタイを緩めていたり、ワイシャツが乱れていたり、
今後気をつけた方がいいのかなと思います。
大人になった時、それはすごい大事なことで、公の場でしっかりできない人は、
社会に出ても通用しないと思います。
それは僕が高校時代で学んだことで、
やはり、 TPOをしっかりと把握できる人間になってほしいです。

 

【EKIDEN-News編集委員 取材メモ】
終始なごやかな雰囲気で行われた、今回の記念講話。
ですが、 私が感じたのは、柏原選手が「メディア」に対して並々ならぬ警戒心を
抱いていることでした。
きっと、我々の分からないところで、様々な辛い思い、ご苦労をなさったのであろう。
私達メディアの「伝えたい想い」がイコール「選手自身の想い」に繋がるとは
かぎらないことを痛感させられた。
選手に嫌な思いはさせたくはない、 しかし時には切り込んだ取材もしなければならない。
そのはざまは難しいところではあるが、
駅伝や長距離種目レースに臨む選手の姿を、まずは正しく、伝えたい。
その上で、駅伝や長距離を盛り上げることに繋がる活動を、
この駅伝ニュースを通して、行なっていきたい。 

今回の取材に際し、いわき総合高等学校の校長先生始め、教頭先生のご尽力、
そして柏原選手のご協力をいただいたことを特筆し、感謝申し上げたい。

 【写真】

柏原竜二 母校での記念講話にて 同窓会会長さんより表彰 笑顔で会場を後に いわき総合高等学校 校門前開会前の様子 柏原選手 自己紹介

One response

  1. この4年間、柏原選手は絶えず成長し続けた。
    彼の直向きな生き様に深く感動をおぼえる。
    今後の更なる発展を確信している。
    ”とことん突き進め。”

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